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まるわのくらし

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2023.02.10

【最大200万円】先進的窓リノベ事業とは?気になるポイントも解説

既存住宅における窓の断熱性を高めるリフォーム工事の支援として、国が予算1,000億円を投じる先進的窓リノベ事業がスタートしました。

住宅に関するさまざまな補助金がありますが、先進的窓リノベ事業は予算も大きいことから多くのお客様・業界関係者から注目を集めています。

そこで今回は、先進的窓リノベ事業の概要や補助金額、ポイントについて解説します。

先進的窓リノベ事業とは

先進的窓リノベ事業

 

先進的窓リノベ事業とは、既存住宅における窓の高断熱化を支援するための事業です。

壁の断熱材などが室温に影響することは広く知られていますが、実は窓も大きく関係しています。

日本建材・住宅設備産業協会のデータによると、日本で多く使われているアルミフレームの複層ガラスの窓の場合、開口部からの熱の流入は冬が58%、夏が73%とされています。

出典:一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会

 

既存住宅は、窓の断熱性能の低いシングルガラスとアルミサッシを使用しているのが一般的で、屋内の熱を外に逃がしやすく、屋外の冷気や熱気を屋内に呼び込みやすいため「夏は暑く、冬は寒い」状態となる住宅も少なくありません。

先進的窓リノベ事業は、既存住宅における熱損失が大きい「窓」の断熱性能を高める補助に1,000億円の予算を投じ、CO2排出量の削減やZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保への貢献を目的としています。

補助金の対象

先進的窓リノベ事業は、既存住宅の窓を高性能な断熱窓にリフォームする工事費用に対して補助金が出ます。

補助金の対象となる住宅は既存住宅である必要があり、建築から1年が経過した住宅、または過去に人が居住した住宅と定められています。

また、補助金の申請は以下2つを満たした方でなければなりません。

  • 窓リノベ事業者と工事請負契約を締結し、窓のリフォーム工事をすること
  • 窓のリフォーム工事をする住宅の所有者等であること


住宅の所有者等とは、以下4つのパターンに該当する方を指します。

  • 住宅を所有し、居住する個人またはその家族
  • 住宅を所有し、賃貸に供する個人または法人
  • 賃借人
  • 共同住宅等の管理組合・管理組合法人

 

このことから多くの方が先進的窓リノベ事業の対象者に該当するのではないでしょうか。

ただ、補助の対象とはならないリフォーム工事もあります。店舗併用住宅等の住宅以外の部分の窓・ガラスの工事や新築物件などは補助の対象にならないので注意しましょう。

補助金額

先進的窓リノベ事業の補助の上限額は1戸あたり200万円です。補助金額は、建物種別や窓の大きさ、性能によって異なります。

戸建住宅・低層集合住宅と、中高層集合住宅における補助単価をそれぞれ確認してみましょう。

戸建住宅・低層集合住宅(3階建以下)における補助単価は、以下表の通りです。

           (円。ガラス交換:1枚あたり。その他:施行箇所1箇所あたり)

工種 グレード 熱貫流率
(W/m2・K)
大きさの区分
大※1 中※2 小※3
ガラス交換※4 SS Uw1.1以下 48,000 30,000 8,000
S Uw1.5以下 32,000 21,000 5,000
A Uw1.9以下 26,000 17,000 4,000
内窓設置 SS Uw1.1以下 124,000 84,000 53,000
S Uw1.5以下 84,000 57,000 36,000
A Uw1.9以下 69,000 47,000 30,000
外窓交換
(カバー工法)
SS Uw1.1以下 183,000 136,000 91,000
S Uw1.5以下 124,000 92,000 62,000
A Uw1.9以下 102,000 76,000 51,000
外窓交換

(はつり工法)

SS Uw1.1以下 183,000 136,000 91,000
S Uw1.5以下 124,000 92,000 62,000
A Uw1.9以下 102,000 76,000 51,000

※1 大:ガラス(一枚)の面積 1.4m2以上。サッシ(一箇所)の面積 2.8m2以上。
※2 中:ガラス(一枚)の面積 0.8m2以上 1.4m2未満。サッシ(一箇所)の面積 1.6m2以上 2.8m2未満。
※3 小:ガラス(一枚)の面積 0.8m2未満。サッシ(一箇所)の面積 1.6m2未満。
※4 ガラス交換は、箇所数ではなく、交換するガラスの枚数を乗じて算出。ドアに付くガラスのみ交換の改修は対象外。

 

中高層集合住宅における補助単価は、以下表の通りです。

           (円。ガラス交換:1枚あたり。その他:施行箇所1箇所あたり)

工種 グレード 熱貫流率
(W/m2・K)
大きさの区分
大※1 中※2 小※3
ガラス交換※4 SS Uw1.1以下 48,000 30,000 8,000
S Uw1.5以下 32,000 21,000 5,000
A Uw1.9以下 26,000 17,000 4,000
内窓設置 SS Uw1.1以下 124,000 84,000 53,000
S Uw1.5以下 84,000 57,000 36,000
A Uw1.9以下 69,000 47,000 30,000
外窓交換
(カバー工法)
SS Uw1.1以下 221,000 151,000 93,000
S Uw1.5以下 150,000 102,000 63,000
A Uw1.9以下 123,000 84,000 52,000
B Uw2.3以下 89,000 61,000 38,000
外窓交換

(はつり工法)

SS Uw1.1以下 221,000 151,000 93,000
S Uw1.5以下 150,000 102,000 63,000
A Uw1.9以下 123,000 84,000 52,000

※1 大:ガラス(一枚)の面積 1.4m2以上。サッシ(一箇所)の面積 2.8m2以上。
※2 中:ガラス(一枚)の面積 0.8m2以上 1.4m2未満。サッシ(一箇所)の面積 1.6m2以上 2.8m2未満。
※3 小:ガラス(一枚)の面積 0.8m2未満。サッシ(一箇所)の面積 1.6m2未満。
※4 ガラス交換は、箇所数ではなく、交換するガラスの枚数を乗じて算出。ドアに付くガラスのみ交換の改修は対象外。

出典:先進的窓リノベ事業の内容について

 

例えば戸建住宅・低層集合住宅で、外窓設置のSSグレードの工事をおこなった場合

 

2.8㎡以上の大サイズ×3枚    183,000円×3枚

1.6~2.8㎡未満の中サイズ×2枚  136,000円×2枚

1.6㎡未満の小サイズ×2枚     91,000円×2枚   合計1,003,000円

 

このケースの場合、1,003,000円が補助金額として出ます。

なお、1申請あたりの合計補助額が50,000円未満の場合は申請できないので注意が必要です。

補助金申請の手続きの流れ

先進的窓リノベ事業の補助金申請は、工事を発注する顧客はなく、工事施工者が申請手続きをおこないます。そのため、工事発注者は契約を締結するだけで構いません。

ただ、工事発注者も全体の流れを把握しておいたほうがスムーズに手続きが進みますので、全体のフローを理解しておくとよいでしょう。

先進的窓リノベ事業の補助金申請等の手続きの流れは以下の通りです。

 

  1. 登録事業者へ問い合わせ
  2. 窓のリフォーム工事のお見積り
  3. 窓のリフォームに係る工事請負契約・共同事業実施規約の締結
  4. 工事着工
  5. 交付申請の予約
  6. 工事完了
  7. 補助金の交付申請
  8. 交付決定と振込の知らせ
  9. 補助金額の確定・交付
  10. 補助金を消費者に還元

 

補助金の振込は、交付決定から1〜2ヶ月をめどに予定されています。

補助金の対象期間

工事請負契約日の期間は、令和4年11月8日以降に契約したものが対象となります。遅くとも令和5年12月末までに契約しなければなりません。

令和5年12月末までとされていますが、予算が達し次第、補助金は終了します。

そのため、窓のリフォームを検討している方や今住んでいる家が寒いとお悩みの方は、この機会に早めに計画することをおすすめします。

交付申請の予約をしよう

リフォームに用いる対象製品が決定し、工事着手した後に予約ができます。予約によって補助金が一定期間確保できるので、早めに工事業者に予約申請してもらいましょう。

なお、予約期間内(手続きから3ヶ月)に交付申請がない場合、予約が取り消しになるおそれがあるので注意が必要です。

先進的窓リノベ事業で気になる3つのポイント

先進的窓リノベ事業で気になるポイントを以下の3つにまとめました。

  • 他の補助金と併用できる
  • 二世帯住宅の場合の申請
  • 補助金対象となった製品は処分の制限がある

それぞれ見ていきましょう。

他の補助金と併用できる

先進的窓リノベ事業は原則として、補助対象が重複する他の補助制度との併用はできません。

例えば開口部の断熱改修として窓の断熱工事が、こどもエコすまい支援事業でも対象となりますが、先進的窓リノベ事業と工事箇所が重複しますので、この場合はどちらか一方のみの申請となります。

しかし、以下2つの条件のいずれかを満たし、地方公共団体の補助制度について国費が充当されているものを除いて併用することは可能です。

  • 請負工事契約が別である
  • 工事個所が別である

先進的窓リノベ事業と併用できる補助金制度は以下の通りです。

  • こどもみらい住宅支援事業(リフォーム支援に限る)
  • 戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業
  • 集合住宅の省 CO2化促進事業
  • 次世代省エネ建材支援事業
  • 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業
  • 住宅エコリフォーム推進事業
  • 住宅・建築物省エネ改修推進事業
  • こどもエコすまい支援事業
  • 給湯省エネ事業

条件を満たせば他の補助金とも併用できますので、工事業者に確認しましょう。

2世帯住宅の場合の申請

2世帯住宅での申請の場合、1戸当たりの補助上限額を超えるリフォーム工事であれば2戸であることの確認が必要になり、別途、図面等の追加書類の提出が求められます。

なお2世帯住宅の場合、内部の構造が自由に行き来できるのであれば1戸として扱われます。内部で行き来できず、外階段でしか行き来できないなど、独立性が高い住宅の場合は2戸として申請することが可能です。

補助金対象となった製品は処分の制限がある

先進的窓リノベ事業の補助金の交付を受けた工事発注者は、補助金の交付を受けて取得した対象製品について処分制限があります。

窓リノベ事業者が補助金の振込みを受けた後、10年間は国または事務局の承認なく補助金の交付目的に反して使用し、譲渡、交換、貸付、担保に供し、または破棄することは認められていないので注意が必要です。

まとめ

断熱性能の高い窓に変更することによって、室温が快適に保たれ、長期的な光熱費削減や省エネにつながります。

また、心地よい住環境が整備されることにより、健康面や生活の質を高めることにもなるでしょう。

丸和建設でも先進的窓リノベ事業の補助金を活用した窓リノベをおこなっております。補助金を活用した断熱窓のリフォームをぜひこの機会に検討してみられませんか?

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どのような内容でも構いませんので丸和建設までお気軽にご連絡ください。